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[第2回]9,749万円の相続税が5,500万円程度まで軽減!

[第2回]9,749万円の相続税が5,500万円程度まで軽減!

今回紹介するのは「相続財産のほとんどが土地」である場合の相続税対策です。前述した通り、相続財産に占める土地の割合に比例して相続税対策の難易度は高くなります。

相談経緯

鈴木京子様(仮名・65歳)はご主人を早くに亡くしています。お子さんは娘さんお一人ですが、家の名前を継いでもらう必要もあり、娘さんの子ども(京子様からするとお孫さん)を養子縁組しているため、相続人は2人です。
最近、家の裏で長年経営していた長屋がすべて空いたため、不動産業者から「相続税対策を兼ねて、その敷地に新たに収益物件を建築してはどうか」という提案を受けました。

提案内容

実際に京子様にご相続があった場合の相続税の申告書を作成した結果、約9,749万円の相続税が発生することが分かりました。 財産総額は約3億4,858万円。そのほとんどを「土地」が占めており、このままでは納税資金が全く足りない状態です。
なんとか土地を売却せずに相続税が支払えるように、以下の内容を提案しました。

・現預金は非課税の範囲で子や孫ら4人に贈与する
・長屋の敷地に1億円相当の賃貸住宅を建築する

下記が実際の提案書の内容です。

鈴木京子様(仮名)相続税額シミュレーション

この度は相続税額シミュレーションをご依頼いただき誠にありがとうございます。私は過去500件以上の相続税の節税アドバイスを行ってまいりましたが、現実を変えるためには以下の順序があります。

Ⅰ 将来の相続税発生予想額を把握する
Ⅱ 相続対策を考える
Ⅲ 実行する


Ⅰ 将来の相続税発生予想額を把握する

鈴木京子様の相続財産の課税価格は約3億4,858万円で相続税発生予想額は約9,749万円となりました。


Ⅱ 相続対策を考える

鈴木様の相続財産に占める各財産の割合は以下の通りとなります。

土地 313,327,104円 41%
家屋 31,734,700円 3%
現金預金 420,000,000円 55%
有価証券 4,828,847円 0.5%
その他 4,239,290円 0.5%
合計 774,129,941円 100%

遺産の特徴は土地の占める割合が約80%、現預金などの流動資産が約20%という点です。現預金は暦年贈与を使って生前に移転することが基本となりますが、財産のほとんどが土地であるため、土地活用をするしか相続税を劇的に下げるという事はできないでしょう。

(1)暦年贈与

現金等の流動資産は早めに相続人に移転していくことは、必ずすべき相続対策です。 鈴木様の場合、まだまだ健康でお時間があるので、今後の生活費も必要だと思います。無理のない範囲で子や孫ら4人に対し非課税の範囲で現預金を贈与していかれてはいかがでしょうか。 10年以内で現預金の相続対策は完了します。

(2)建築による節税効果

鈴木様の遺産の特徴は不動産が約80%ですので、土地活用をしない限り大幅な相続税の節税は難しいでしょう。仮に賃貸住宅を建築した場合の節税効果は以下の通りです。(今回は1億円の土地に1億円の賃貸住宅を建築した場合でシミュレーションしています。)

  資金 相続税評価額
土地 100,000,000円 80,000,000円
建物 100,000,000円 35,000,000円
合計 200,000,000円 115,000,000円
合計圧縮額 -85,000,000円

  遺産総額 相続税額
対策前 348,580,972円 97,495,200円
対策後(圧縮額控除後) 263,580,972円 60,104,000円
節税効果 -37,391,200円

仮に1億円の賃貸住宅を建築した場合、節税効果が3,700万円以上あることが分かりました。言い換えると鈴木様にとっては1億円の投資ではなく実質6,300万円の投資といえます。もし借り入れして年間630万円以上の収入があるとすれば、計算上は約10年で節税後の投資額を回収できます。(もちろん固定資産税 や所得税等の負担があるので実質的には15年位かかりますが)10年間の空室率は5%以下、15年で10%程度といわれており。そういう意味では賃貸住宅の建築は低リスクで節税効果が見込めるのではないでしょうか。


Ⅲ 実行する

鈴木京子様の場合、(1)の現預金の贈与と(2)の賃貸住宅建築による土地活用を実行すれば9,749万円の相続税は5,500万円以下になります。それでも、贈与した現金を相続人が使ってしまうと相続税が払えなくなるため、相続人にもそのことを事前に伝えておかれたほうがいいでしょう。

結論

鈴木京子様の相続税は現預金の子や孫への贈与と1億円の賃貸住宅の建築により9,749万円の相続税が5,500万円程度まで軽減できることがわかりました。

この提案を受け結果的には以下のようになりました。

・現預金は子や孫に将来の相続税の納税資金として置いておきなさいよと言い含めて非課税の範囲で贈与していくこと
・不動産投資は初めてということもあり8,000万円程度の投資にとどめること

ご入居者の集まりやすい4月までには収益物件を完成させたいという希望もあり9月中旬からの着工予定です。

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税理士法人松岡会計事務所