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知っ得税金ミニ知識
税について、知っていると得するミニ知識をご紹介します。日々の生活にお役立てください。
税務代理権限証書と書面添付
概要
税理士がお客様の税務申告書を代理で提出する等、税務代理をする場合は「税務代理権限証書」をつけて提出する必要があります。また、税理士がお客様の申告書に関する業務を行った場合には、その内容について記載した書面を申告書に添付することができます。
税務代理権限証書
税務代理権限証書は税理士法第30条に規定されていて、お客様の代理で税務業務を行っている場合は税務官公署に提出する必要があります。 その様式も定められており、過去の年の税務代理に関する項目や税務調査の連絡は税理士が受けること等の項目があり、お客様が税務官公署に提出する様式になっています。
書面添付
書面添付に関する内容は税理士法第33条の1と第33条の2に規定されていて、以下の2つの種類があります。①は税理士が自分で作成した申告書について記載した書面で、②は他人が作成した申告書について記載した書面となっています。
①税理士が申告書を作成した場合に、行った業務の内容を記載した書面を提出することができる。(税理士法第33条の1①)
②税理士又が他人の作成した申告書について審査した場合に、その申告書が法令に従って作成されている旨を記載した書面を提出することができる。(税理士法第33条2②)
書面添付の効果
書面添付は任意になっているため、申告書の提出時に添付しなくても特に問題はありません。しかし、税務代理権限証書と上記の②の書面を両方とも添付している場合は、税務調査が行われるという通知の前に担当の税理士に意見を述べる機会が与えられると規定されています。(事前通知前の意見聴取制度) この意見聴取の結果、税務官公署の目的が達成され税務調査は必要ないと判断された場合は、税務調査の事前通知と税務調査自体が省略されることがあります。
まとめ
税務代理権限証書と書面添付の制度は、申告者、税務官公署、税理士の三者が関係する税務調査を省略できる可能性があり、意見が衝突する前に交通整理をするような役割があります。
ただし、書面添付することにより税理士の責任も発生しますし、必ず税務調査が省略されるわけではないため、制度として深く浸透しているわけではないようですが、今後の制度改正によっては一般的な制度になるかもしれません。
文責・西原健二
監修・松岡敏行