【2026年春】お給料の手取りが乱高下?新設「子ども・子育て支援金」
こんにちは。松岡会計事務所のSです。
新年度が始まり、慌ただしい日々をお過ごしのことと思います。さて、この春は「お給料の手取り額」に関する重要な変更が控えているのをご存知でしょうか。
今回は、給与を受け取るすべての皆様、そして給与計算を担当される皆様に直結する「子ども・子育て支援金」のスタートについて、毎年春に社会保険料が変わる背景から、具体的な金額のシミュレーションまで分かりやすく解説します。
①そもそも、なぜ春(4月)に社会保険料が変わるのか?
毎年、春先になると「社会保険料が変わります」というお知らせを耳にする方も多いと思います。実は、中小企業の多くが加入している「協会けんぽ(全国健康保険協会)」では、地域の医療費の動向などを踏まえて、毎年3月分から都道府県ごとに健康保険料率・介護保険料率の見直しを行っています。
また、社会保険料は「当月分の保険料を、翌月の給与から引く(翌月徴収)」というルールを採用している会社がほとんどです。そのため、毎年4月に支給されるお給料から、新しい保険料率で計算された金額が天引きされます。これが「春はお給料の手取りが変わりやすい」最大の理由です。
②さらに今年は新税「子ども・子育て支援金」がスタート!
2026年の春は、上記の例年通りの見直しに加え、少子化対策の財源として「子ども・子育て支援金」の徴収がいよいよ始まります。具体的には、2026年の4月分、翌月払いなら5月支給分から始まります。
これは全く新しい税金が別枠で引かれるわけではなく、毎月のお給料から引かれている「健康保険料」に上乗せされる形で徴収されます。給与明細上は「健康保険料」として合算されるケースも多く、パッと見ただけでは何が起きたのか分かりにくい仕組みになっています。
③要注意!3月・4月・5月で控除額が「下がって、上がる」?
この「毎年の定例の変更」と「支援金の追加」のタイミングがずれているため、実はこの春、お勤めの方の手取り額は「一度増えて、また減る」という異例の動きをします。
給与が月額25万円(標準報酬月額26万円)で、大阪府の協会けんぽに加入している「40歳未満(介護保険料なし)」の会社員の方を例に、天引きされる社会保険料(個人負担分)の推移を見てみましょう。
【3月支給のお給料(2月分の保険料:令和7年度料率)】
社会保険料の合計額:37,102円
[内訳] ・健康保険料:13,312円(健康保険・介護保険: 8,918円 / 厚生年金: 4,394円)
・厚生年金保険料:23,790円
【4月支給のお給料(3月分の保険料:令和8年度への見直し)】
社会保険料の合計額:36,959円
[内訳] ・健康保険料:13,169円(健康保険・介護保険: 8,957円 / 厚生年金: 4,212円)
・厚生年金保険料:23,790円
※先月より天引きが「143円」マイナス(手取りが増える!) 大阪府の健康保険料率が引き下げられたため、実は4月のお給料は少し手取りが増えます。
【5月支給のお給料(4月分の保険料:支援金のスタート!)】
社会保険料の合計額:37,258円
[内訳] ・健康保険料:13,169円(健康保険・介護保険: 8,957円 / 厚生年金: 4,212円)
・子ども・子育て支援金:299円(※今回新設!)
・厚生年金保険料:23,790円
※先月より天引きが「299円」プラス(手取りが減る!)
4月のお給料を見て「ちょっと手取りが増えたな」と思った矢先、ゴールデンウィーク明けの5月のお給料で「あれ?また引かれる額が増えてる?」と戸惑う従業員の方が続出することが予想されます。
会社側は、給与計算ミスの疑いなど不要な不信感を招かないためにも「4月は保険料率の引き下げ、5月からは支援金の追加」という事前の声かけが非常に重要になります。
■まとめ:手取り減少を防ぐために
今回の支援金による負担増は月額300円程度ですが、料率は2028年度に向けて段階的に引き上げられる計画です。会社側にとっても同額の負担(法定福利費の増加)がのしかかるため、決して侮れません。
従業員の方のモチベーション低下を防ぐためにも、企業側は「賃上げ促進税制」などを賢く活用したベースアップを検討したいところです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
