「誰が実家を引き継ぐんだ」
遺産分割の場でこのような会話を幾度となく聞いてきました。
それぞれに家を持ち、生活基盤もある相続人たちにとって、実家は「プラスの財産」ではなく、固定資産税などの維持費がかかる「マイナスの財産」。
実際、「実家を売って、売却資金を公平に分けよう」「いや、つい最近まで親が暮らしていた家を売るのは親せきの目もあるし反対だ」と意見がまとまらず、実家が争いの種になってしまったケースも多々あります。
そういった争いを防ぐため、生前に“実家の空き家化問題を解決する方法”を今回は2つ紹介します。
実家を「2世帯住宅」として活用し「同居」
子供たちのうちに「同居してもいい」という子がいる場合、2世帯住宅は有力な選択肢です。
相続の際、同居している子が実家を引き継ぐと、その敷地のほとんどが相続税の課税対象から外れる特例もあり、節税効果は抜群です。
2 実家を「賃貸住宅」として活用し「近居」
子供達との同居は難しい場合、親の方が子供たちの近くに住む「近居」も1つの解決策です。
実家は賃貸住宅として活用し、その家賃を近居の費用にあてることで、賃貸住宅を使った相続税の節税対策が可能となります。
いずれにしても実家の空き家化問題解決の第一歩は親子の話し合いです。
「この家は将来どうなるのかしら?」そう思ったら問題を先送りせず親子で話し合っていただければと思います。
当然、親の気持ち、子の気持ちが必ずしも一致するとは限りません。
しかし、問題を先送りし、何もしないで相続を迎えるよりはよっぽどいいと思いませんか?
相続は避けられないもの・・・
親子で悩んで出した結論が、相続対策のベストアンサーだと信じています。