「よう使わんわ・・・」
5年前、Aさんはつぶやきました。
Aさんは65歳、わずかな年金で暮らしていましたが、突然親から5億円の相続財産を引き継いだのです。
その5億円は全て現預金で、いまだに手を付けられずにいます。
Aさんの暮らしぶりはほとんど変わっていません。
一方、不動産投資が趣味のようなB社長がいらっしゃいます。
B社長は5億円の不動産を運用し、毎年3500万円の不動産収入があり、税金や借入の返済を差し引いても1000万円以上が手元に残ります。
B社長は毎週趣味のゴルフを楽しみ、海外旅行にも頻繁に出かけます。
AさんもB社長も実際に私の周りにいる方です。
どちらが幸せかはわかりませんが、一つ言えるのはストックよりフローの方が人はお金を使いやすいということです。
(Aさん・ストック)
• お風呂場の浴槽にたまっている水があります。
これを風呂桶ですっくって使っていると、だんだん減ってしまいます。
(B社長・フロー)
• 湧き出る温泉の源泉があります。
浴槽からあふれ出る水をいくら使っても浴槽の水の量はいつも満水で減ることはありません。
どうも人間は「減る」という事に抵抗があるようです。
しかし、Aさんに今、相続が起こると、相続税は1億円以上発生し、財産はかなり「減ります」。
B社長は資産もありますが、借金もあり、今相続が起こっても相続税は発生しません。
そして相続後20年もすれば借金は完済され、資産だけが残るようになっています。
瞬間的に今を切り取れば財産価値は同じように見えますが、子子孫孫財産を減らさずに受け継いでいくためには長い目でみた戦略が必要なのではないでしょうか。