税理士法人 松岡会計事務所

松岡会計事務所通信

【Vol.063】2026年04月号

令和8年度税制改正法が成立 4月1日施行

令和8年度税制改正法が年度内に成立し、4月1日に施行されました。

「所得税法等の一部を改正する法律」及び「地方税法等の一部を改正する法律」は、3月31日に参議院本会議で可決・成立し、政省令を含め即日公布されました。

改正法は原則として4月1日に施行されています。税目ごとに施行内容をご紹介致します。

所得税

所得税については、非課税通勤手当に係る駐車場等の要件が省令で規定されました。

マイカー通勤手当については、通勤距離が片道65km以上の者の1月当たりの非課税限度額の引上げなどが政令で示されています。

改正後の非課税限度

片道65km以上 75km未満 45,700円
片道75km以上 85km未満 52,700円
片道85km以上 95km未満 59,600円
片道95km以上 66,400円

※改正前は、55km以上は38,700円

また、一定の要件を満たす駐車場等を利用する場合には、通勤距離の区分に応じた非課税限度額に、1月当たりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円)を加算した金額が非課税となります。

非課税の対象となる駐車場等の要件としては、「交通用具の駐車のための施設が、その者の勤務先の周辺、または通勤に利用する交通機関の駅若しくは停留所等の周辺に所在すること」などが新たに規定されています。

利子所得の分離課税の適用対象から「特定法人から支払を受ける社債の利子のうち、実質的に同族会社から支払を受けるものと認められる場合等」が除外されました。

さらに、特定暗号資産に係る譲渡所得等の課税の特例については、その金額の計算方法等が定められています。

法人税

法人税については、企業グループ間取引に係る書類保存の特例が省令で整備されました。契約書等に対価算定に必要な事項の記載がない場合には、その不足事項を明らかにする書類を取得または作成し、保存することが義務付けられています。

この規定の対象となる「関連者間取引」や記載が必要な事項、「関連者」の範囲も明示されました。

関連者とは、いずれかの法人が他方の法人の発行済株式等の50%以上を直接または間接に保有する関係などをいいます。なお、関連者該当性は取引時点の状況により判定されます。

また、特定事項に係る書類を電子取引により取得した場合には、当該取引について本規定は適用されないとされています。

この規定は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度の関連者間取引から適用されます。

法人税では、研究開発税制の見直し等も行われています。新たに創設された設備投資促進税制については、対象となる機械装置等の取得価額の最低限度などが政令で定められました。

また、試験研究費の税額控除制度では、国外委託研究の範囲が整理されたほか、高度専門人材の範囲に博士号取得後5年以内の人材などが追加されています。

中小企業向けの各種税制についても見直しが行われ、対象資産の取得価額の最低限度が30万円から40万円へ引き上げられました。少額減価償却資産の特例についても同様の引上げが行われるとともに、対象となる従業員数要件が500人以下から400人以下に見直されています。

消費税

消費税については、暗号資産の譲渡等の取扱いが見直されました。

暗号資産の譲渡は引き続き非課税とされますが、課税売上割合の計算上は、その対価の5%相当額を算入することとされています。また、暗号資産や電子決済手段の貸付けも非課税取引に含まれることとなりました。

さらに、輸出類似取引の範囲の見直しが行われ、非居住者に対する一定の役務提供等については免税の対象から除外されています。

防衛特別法人税は令和8年4月1日以後開始 事業年度から、税額がゼロでも申告必要

令和7年度税制改正法により防衛財源確保法が改正され、防衛特別法人税が創設されました。

これに伴い、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、各事業年度の所得に対する法人税を課される法人は、防衛特別法人税の納税義務者となり、防衛特別法人税確定申告書の提出が必要となります。

防衛特別法人税は中小法人に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から500万円を控除することとされています。ただし、防衛特別法人税額がゼロであっても申告は必要となります。

防衛特別法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額(各課税事業年度の①基準法人税額から②基礎控除額を控除した金額)に4%の税率を乗じて計算した金額となります。また、防衛特別法人税の額から、一定の税額控除を行うことができます。

基準法人税額

一定の制度を適用しないで計算した各事業年度の所得に対する法人税の額をいいます。

基礎控除額

年500万円

基準法人税額の計算において適用しない制度とは、所得税額控除、外国税額控除、分配時調整外国税相当額の控除、仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額控除、戦略分野国内生産促進税制のうち特定産業競争力基盤強化商品に係る措置の税額控除、同措置に係る通算法人の仮装経理に基づく過大申告の場合等の法人税額の加算、外国関係会社等に係る控除対象所得税額等相当額の控除をいいます。

なお課税事業年度が1年に満たない場合には、基礎控除額500万円を12で除し、これに当該課税事業年度の月数を乗じた金額となります。

なお、申告書は法人税及び地方法人税の申告書と一体の様式となっています。ただし、別表一および別表一の二の様式では、防衛特別法人税の記載欄は法人税および地方法人税の記載欄とは別葉となっているため注意が必要です。

また、中間申告書の提出については、令和9年4月1日以後に開始する課税事業年度から適用されます。

固定資産税納税通知書等の様式変更

今年も、固定資産税の納税通知が届く時期になりました。

地方公共団体情報システムの標準化により、全国の地方公共団体は、国が定める標準仕様に準拠したシステムに移行しています。

上記に伴い、多くの市町村では令和8年度からの固定資産税納税通知書等の様式が変更(書類サイズ、文字サイズ、金額の記載場所等)されています。

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