1.保安林とは
保安林とは、水源の涵養(かんよう)、土砂の崩壊その他の災害の防備、生活環境の保全・形成等、特定の公益目的を達成するため、農林水産大臣又は都道府県知事によって指定される森林です。
保安林では、それぞれの目的に沿った森林の機能を確保するため、立木の伐採や土地の形質の変更等が規制されます。
そのため、保安林の相続税評価額を算出する際には一定の割合を控除することができます。
2.保安林の相続税評価額の計算方法
(計算式)
山林の自用地評価額×(1-控除割合)=保安林の相続税評価額
控除割合は、法令に基づき定められた伐採関係の区分に応じて決まります。
一部皆伐・・・0.3
択 伐・・・0.5
単木選伐・・・0.7
禁 伐・・・0.8
立木についても保安林と同様に一定の控除割合を控除することができます。
3.倍率方式で評価する時の固定資産税評価額
山林の相続税評価額は、「固定資産税評価額×倍率」により評価することとなりますが、保安林は、地方税法の規定により固定資産税が非課税となっているため、固定資産税評価額がゼロとなっています。
固定資産税は非課税でも相続税は非課税とはなりません。
保安林の相続税評価額を計算する際は、その保安林が所在する市区町村役場の税務課等に確認をして、近傍山林の1㎡あたりの評価額を教えてもらい、その評価額に保安林の地積を乗じて固定資産税評価額とします。
市区町村によっては、保安林が非課税のため固定資産税納税通知書に記載されていない場合があります。
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