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相続放棄以外の選択肢~限定承認について~

2023.01.30

■限定承認とは

限定承認とは、相続財産の範囲内でのみ債務を相続し、それ以上の債務は相続しないという相続方法です。

相続放棄の場合は相続人としての権利を全て放棄するため、相続開始時点から相続人ではなかったこととなりますが、

限定承認の場合は相続する財産債務の範囲を限定するだけですので、相続人としての地位は残ります。

 

■限定承認の手続き

限定承認をするには相続放棄と同様に、自己のために相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に被相続人の住所を管轄している家庭裁判所へ申述する必要があります。

また3ヵ月を過ぎると単純承認となり限定承認できなくなる点も同じです。

ただし相続放棄と大きく違うのは、相続人全員で申述する必要がある点です。

相続放棄は他の相続人の意思に関係なく行うことができますが、

限定承認については相続人のうち一人でも反対すると申述することができません。

 

■限定承認のメリット・デメリット

〇メリット

①相続財産の金額を超える相続債務は一切返済しなくて良くなる

限定承認をしておけば返済するのは相続財産の金額までで良いので、

後から思いもよらぬ多額の債務が見つかったとしても、相続財産の金額を超える債務は免除されます。

 

②相続債務より相続財産のほうが多い場合でも相続できる

①とは逆に思いもよらぬ相続財産が見つかることもあります。

もし債務超過だと思い相続放棄をしていると、その相続財産を受けとることはできませんが、

限定承認の場合は相続人の地位があるため何の問題もなく受け取ることができます。

そのため遺産の内容が分からず、債務超過の可能性もあるような場合には限定承認が有効といえます。

 

③先買権によりどうしても残したい財産は買い戻せる

限定承認を行った場合、相続財産は基本的に競売にかけられ換金されますが、

相続人には競売にかけられる前に鑑定評価額を払うことで優先的に買い戻すことができる【先買権】という権利が与えられます。

例えば相続債務の方が多いものの実家だけはどうにか相続したいという場合には、

限定承認を行い相続人が自己資金により実家の鑑定評価額を支払うことで、実家を相続しつつ相続財産を超える債務は相続しない、ということが可能になります。

 

×デメリット

①相続人全員での申述が必要となること

3ヵ月という短い期間内に相続人全員で申述する必要があることから、

相続開始後にいきなり限定承認をしようと思っても、期限内に相続人全員の意向を統一できず実現しないこともあります。

 

②その他の手続きが煩雑

限定承認が認められた後も、相続人の中から相続財産管理人を選定し、

債権者への公告、競売等による相続財産の換金、債務の清算といった多くの手続きを行っていく必要があります。

これらの手続きには専門知識も必要なことから実務は弁護士等に依頼するのが一般的であり、時間と労力に加えて費用もかかります。

 

③被相続人に譲渡所得税が課税される可能性がある

限定承認を選択した場合、相続開始時点において被相続人から相続人へ全ての財産が売却されたものとみなされます。

そして不動産等の含み益がある財産については、その含み益に対して譲渡所得税がかかることとなり、思わぬ納税が生じる可能性があります。

また、この譲渡所得税は被相続人の所得税であることから、相続開始後4か月以内という短い期間で準確定申告を行わなければいけません。

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