以前に相続税の申告を行ったものの内容が間違っていて、
相続税を払い過ぎていた場合には、一定の手続きを行うことで税金の還付を受けることができます。
この手続きのことを更正の請求といいます。
更正の請求ができるのは、税法の規定にしたがっていなかった場合や税額計算に誤りがある場合です。
例えば形状が不整形な土地について税法で定められている減額補正を行っておらず、申告した相続財産の評価額が高くなっていた場合があげられます。その他、相続財産の二重計上などの計算ミスについても更正の請求ができます。
なお更正の請求には期限があり、原則として申告期限から5年以内となっています。
また相続税については、主に以下のような事由が発生したことにより更正の請求を行う場合には、その事由が発生したことを知った日の翌日から4か月以内が更正の請求の期限となります。(5年経過していても、経過していなくても4か月以内が期限となります)
① 未分割だった財産が分割された場合
② 相続人に異動があった場合(相続放棄の取消があった場合など)
③ 遺留分侵害額の請求により支払うべき金額が確定した場合
④ 未分割の財産が分割されたことにより軽減措置等の特例が適用できるようになった場合(小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減など)
⑤ 遺贈にかかる遺言書が発見された場合または遺贈の放棄があった場合
⑥ 物納に充てた土地に一定の事由が判明した場合(土壌汚染など)
⑦ ①~⑥の事由に準ずるものとして政令で定める事由が生じたこと。
(相続財産の帰属に関する訴えの判決があった場合など)
期限を過ぎてしまうと、基本的には払い過ぎた税金を取り戻すことはできませんので注意が必要です。
更正の請求の期限内であれば申告内容の見直しでお金が戻ってくる可能性もあります。
既に申告済みでも、申告内容に疑義がある場合は税理士等の専門家にご相談ください。