来年度以降の税制改正のたたき台となる、令和4年度(2022年度)税制改正大綱が公表されました。
(税制改正の内容が確定するのは来年の3月頃となりますが、大綱の内容が大きく変わることはほとんどありません)
相続税、贈与税については以下の改正が予定されています。
■直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置
〇適用期限
・令和5年12月31日までに延長(2年延長)
〇非課税限度額
・耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋 1,000万円
・上記以外の住宅用家屋 500万円
〇中古住宅を取得する場合の要件
・築年数要件を廃止
・新耐震基準に適合している住宅用家屋であることを要件に追加
(登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす)
〇受贈者の年齢要件
・18歳以上に引き下げ
※上記の改正は、令和4年1月1日(受贈者の年齢要件については令和4年4月1日)以後の贈与から適用される。
■非上場株式等の納税猶予の特例制度(法人版事業承継税制)
〇特例承継計画の提出期限
・令和6年3月31日までに延長(1年延長)
生前の贈与について課税強化が噂されていましたが、今回の税制改正では変更されませんでした。
しかし税制改正大綱には相続税、贈与税のあり方についても記載されていました。
その中で、財産の分割贈与により相続税の負担を回避しながら財産移転できることが問題視されており、
課税制度の見直しを含め本格的な検討を進めることとなっています。
そのため来年の税制改正では再度生前贈与に対する課税強化の議論が行われる可能性が高いため、
生前贈与により相続税を節税する、といった対策は依然として早めに行っていくことが必要になるかと思います。