相続財産の評価方法について定めた財産評価基本通達では、以下のように庭園設備の相続税評価額を算出する方法が定められています。
【庭園設備(庭木、庭石、あずまや、庭池等をいう。)の価額は、その庭園設備の調達価額(課税時期においてその財産をその財産の現況により取得する場合の価額をいう。以下同じ。)の100分の70に相当する価額によって評価する。】
要約すると、【調達価額(同じ庭園を造るのに要する費用)×70%】が庭園設備の相続税評価額となります。そのため評価額を計算するには調達価額を算定する必要がありますが、自ら算定するのは困難なため造園業者等の専門業者に依頼して見積もる等の方法をとります。また庭園の作成から相続開始まで数年程度とあまり時間が経っていない場合は、庭の作成にかかった費用を調達価額とすることも考えられます。
このように庭園設備については家屋や土地とは別に評価する必要がありますが、庭のある家を相続したときには、必ず不動産とは別に庭を相続財産に加えなければならないのでしょうか。
これについては、庭園設備は京都や奈良にある有名庭園のような大規模で客観的価値を有するものを対象としている、という解釈が一般的です。
そのため一般家庭の庭を相続財産に含めることは、実務上ではごく稀であるといえます。