令和7年12月19日、政府・与党が決定した令和8年度税制改正大綱が公表されました。
相続税・贈与税については、次の改正が予定されています。
■教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置については、令和8年3月31日をもって適用期限を迎え、延長されません。
令和8年3月31日までに拠出された金銭等については、本措置を適用できます。
■事業承継税制における計画提出期限の延長
非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予の特例制度および個人事業用資産に係る相続税・贈与税の納税猶予制度について、計画提出期限が延長されました。
〇法人版事業承継税制
(改正前)令和8年3月31日→(改正後)令和9年9月30日
〇個人版事業承継税制
(改正前)令和8年3月31日→(改正後)令和10年9月30日
※納税猶予制度そのものの適用期限(承継実行期限)は、変更されていません。
(法人版事業承継税制→令和9年12月31日
個人版事業承継税制→令和10年12年31日)
■貸付用不動産の相続税評価額の見直し
貸付用不動産の市場価格と相続税評価額との乖離の実態を踏まえ、評価の適正化及び課税の公平性を図る観点から、評価方法の見直しが行われました。
〇対象となる不動産
被相続人等が、課税時期前5年以内に対価を伴う取引(取得又は新築)により取得した一定の貸付用不動産
〇評価方法
課税時期における通常の取引価額に相当する金額
(注)課税上の弊害がない限り、取得価額を基に地価の変動等を考慮して計算した価額の100分の80に相当する金額によって評価することが出来ます。
〇適用時期
令和9年1月1日以後に相続等により取得をする財産の評価に適用されます。
ただし、上記の改正については、当該改正を通達に定める日までに被相続人等がその所有する土地(同日の5年前から所有しているものに限る。)に新築をした家屋(同日において建築中のものを含む。)には適用されません。
■不動産特定共同事業契約等に係る取扱い
不動産特定共同事業契約又は信託受益権に係る金融商品取引契約のうち一定のものに基づく権利の目的となっている貸付用不動産については、その取得の時期にかかわらず、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価することとされました。
(注)課税上の弊害がない限り、出資者等の求めに応じて事業者等が示した適正な処分価格・買取価格等、事業者等が把握している適正な売買実例価額又は定期報告書等に記載された不動産の価格等を参酌して求めた金額によって評価することが出来ることとされました。ただし、これらに該当するものがないと認められる場合には、上記貸付用不動産の評価に準じて評価(取得時期や評価の安全性を考慮)することとされました。
〇適用時期
令和9年1月1日以後に相続等により取得する財産の評価に適用されます。
■最後に
貸付用不動産の評価については、従来から市場価格と相続税評価額との乖離が指摘されており、ついに改正がされることとなりました。
今回の改正により、不動産を用いた相続対策については、一層慎重な検討が必要になるものと考えられます。



