令和2年度(第70回)税理士試験の合格発表・風を積む
松岡会計事務所のFです。
今日は、令和2年度(第70回)税理士試験の合格発表の日です。
そして、今回この松岡会計事務所から2名の合格者が出ました!!
おめでとうございます。
私は昨年に5科目合格を果たすことができましたが、もう一年が経ちました。
官報の発表だけだとまだ実感が湧きませんが、自宅に合格証書が届いたとき、税理士登録申請が完了して自分の税理士証票を手にしたときは「ああ、ついに税理士になるんだな」という実感が湧いてきます。
目的地は人それぞれと思いますが、私は税理士試験の合格はスタートラインと考えています。あたらしい道がこれからつくられる。
今回見事合格されたみなさん、これから実務の現場で一緒に汗を流していきましょう。
残念ながら不合格だった方は、合格に向けて風を積んでいきましょう。
志が大きければ大きいほど、その下にたくさんの風を積むこと(地道な努力)が必要です。
最後に、私の好きな「荘子」の一節をば。
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風の積むこと厚からざれば、即ち其の大翼を負うに力なし
/『荘子 内篇 第一 逍遥遊篇(森三樹三郎訳・中公文庫)』
北のはての暗い海に住んでいる魚がいる。その名を鯤(こん)という。鯤の大きさは、幾千里ともはかり知ることはできない。やがて化身して鳥となり、その名を鵬(ほう)という。鵬の背のひろさは、幾千里あるのかはかり知られるほどである。ひとたび、ふるいたって羽ばたけば、その翼は天空にたれこめる雲と区別がつかないほどである。
水も厚く積もらなければ、大舟を浮かべるだけの力がない。杯の水を土間のくぼみに落としただけでは、舟が大きすぎるからである。
とするならば、風も厚く積もらなければ、鵬の大きな翼をささえるだけの力はない。だから九万里の高さにのぼって、はじめて翼にたえる風が下にあることになる。こうしていまこそ、大鵬は風に乗って上昇しようとする。背に青天を背負うばかりで、さえぎるものもない。
蜩(ひぐらし)と小鳩とは、この大鵬のありさまを見て、あざわらっていう。
「われわれは勢いよく飛びたち、楡(にれ)やまゆみの木をめがけて突進しても、ときには届かず、地面に叩きつけられることがある。それなのに、九万里の空にのぼり、南をさしてゆくとは、途方もないことではないか」
だが、近郊の野に出かけるものは、三度の食事をするだけで帰ってきても、腹のすくことはないであろうが、百里の地に出かけるものは、前夜から米をついて準備しなければならず、千里の地に出かけるものは、三か月も前から食糧を集めておかなければなるまい。
とするならば、蜩や小鳩などに、大鵬の心を知ることがどうしてできるであろうか。