年調ソフトで楽々年末調整?

毎年11月から12月は年末調整の時期です。
会計事務所ではお客様の年末調整の対応のために忙しくなる時期の一つです。
毎年なにかしらの改正があり、控除の内容や申告書の様式が変わったりするのはもはや恒例ですね。
そんな中、2020年の年末調整では国税庁から「年調ソフト(年末調整控除申告書作成用ソフトウェア)」が公表されました!
この年調ソフトですが、正式名称にあるように、年末調整での各種申告書を作成するためのソフトウェアです。
「年調ソフト」というと年末調整の計算をして還付額や不足額を出してくれるソフトをイメージしがちですが、実は年末調整計算の基礎となる各種申告書を作成するためのソフトです。
そのため、このソフトを使うのは会社や会計事務所ではなく、主に社員の方です。
この年調ソフトのメリットとしては、
・パソコンやスマートフォンで申告書を作成することができ、ペーパーレスにできる
・控除証明書を電子データで連携することができ、転記ミスや計算ミスがなくなる
という2点があります。
今までだと数枚の紙の申告書に記入して、複雑な控除額を計算しないといけないので、そのあたりがかなり楽になりますね。
他にも年末調整を電子化できるソフトやシステムが大々的に広告されたりしていますが、国税庁から無料でできるソフトが出された形です。
でも同時に、各社員さんに使ってもらうための説明や準備をしないといけないので、そこが大変です。。。
社員さんの中にはパソコンやスマートフォンを持ってない方もいるでしょうし、年調ソフトの使い方をそれぞれに説明するのもかなり大変だと思います。
正直言って年調ソフトが公表されたからと言って、いきなり全社員に使ってもらうのは現実的ではないと思います。
社員さんの中で年調ソフトを使いたいという方には使ってもらい、そうでない方は今まで通り紙の申告書に記入・提出してもらうのが無理のない運用ではないかと思います。
なお、ペーパーレスにする場合は税務署に「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」という書類を出しておかないといけないのでご注意くださいね。
今後、書類や手続きがどんどん電子化されていくと思いますが、時代の流れには乗りつつ、今までのやり方も併用しながらうまく乗り越えていきましょう。