実は酒税を納めています
松岡会計事務所のKです。
今回は酒税について書いてみたいと思います。
酒税はお酒を消費するときにかかる税金です。一口に税金といっても実はいくつも種類があり、分け方は色々ですが
①どこに納める税金なのか
②納税をする人は誰か
③最終的に税金の負担をするのは誰か
というポイントで分けると、酒税は以下のようになります。
①国に納める税金
②お酒を造った人が納税する
③税金を負担するのは私たち消費者
法人税や所得税も国に納める税金ですが、②と③が同じで自分の税金を自分で納付します。
酒税はこの②納税をする人と③最終的に税金を負担する人が違うというのがポイントで、お酒を造った人が出荷するときに国に税金を納めますが、支払った酒税分の金額はお酒の価格に含めて売るので、お酒を造った人は税金を納付しますが負担はありません。酒税を含んだ価格でお酒を買う私たち消費者が実質的な酒税の負担者ということになります。買い物をしたときに払う消費税も同じような仕組みです。
回りくどい仕組みに思われるかもしれませんが、お酒を買う一人一人が酒税を計算してわざわざ国に払うなんてことはめんどくさいですよね。それでお酒を造って出荷した大元の段階で税金を取るようにして税金を徴収する手間を減らしているのです。
うまいことできてるなと思いますが、怖いのは出荷して税金を払ったものの、事故や不注意で容器が壊れてお酒がなくなってお店で売れなくなってしまったような場合です。手間暇をかけてお酒を造って酒税も納めたのに売れなくなってしまうと、お酒の原価分が回収できないのに加え、先に払ってある酒税分も回収できないので二重の損害です。返品されてきたり災害で損害が出た場合には酒税額の控除を受けられるのですが、事故や不注意でなくなってしまった場合はどうしようもありません…。
本来酒税は消費者が負担するものなので消費者が直接納税すればこういった問題は起きないのですが、手間の軽減を優先して先に徴収したことによる弊害ですね。
今度お酒を買うときはお店に払ったお金の一部が国まで届いていることをちょっと思い出してみてください。