プロ野球選手と確定申告(契約金編)
年が明けて、年末調整が終わり、会計業界は1年において一番忙しいといっても過言ではない確定申告期に突入します。
高校野球とプロ野球が大好きなYです。
そこで今回と次回にわたり私のブログでは、プロ野球選手の確定申告についてさらっと考えてみようと思います。
プロ野球選手は、「入団⇒現役⇒引退」というステージを辿るのですが今回は入団時にスポットを当てます。
2019年は東京ヤクルトの奥川選手や千葉ロッテの佐々木選手など将来の日本球界を牽引するような逸材がドラフト会議をにぎわせましたね。
私はミーハーなので、ネットで契約金と初年度の年俸を検索しました。
すると、契約金1億円で年俸は1600万円でした。(出来高は省略)
みなさん、気になりませんか・・・・税金どれだけかかるのか・・・
わかりやすくするために、契約金の1億円で税金を考えてみます。
所得税はもうけにかかる税金ですが、もうけの性質に応じて10種類に区分します。
契約金はその中でも雑所得というものに該当します。
(もらう時に約20%税金が天引きされます。)
必要経費などないでしょうから、税金は1億円まるまるにかかり、ざっと4千万円です。
(住民税もあわせると5千万円です!!)
普通の人からは、払えるか!というツッコミが入りそうです。
1億円もらってるから、なんとかなりそうですね・・・。
そして少し税金に詳しい方からこんなツッコミが入りそうですね!
ちょっと待ってよ!一時に受ける契約金だから一時所得じゃないの?
一時所得なら2分の1課税だから5千万円に税金かかるから、ざっと所得税と住民税合わせて2200万円ですむのでは?
違うんですよ、一時所得は「労務その他の役務の対価としての性質を有しないもの」と法律に規定されているので該当しないのです。
契約金をもらって、これからその球団のために選手は必死に努力しますので、役務の対価としての性質は有していますよね!
でも、安心してください。国税庁はそんなに鬼ではなかったのです!
平均課税という制度があり、かんたんに説明すると1億円を5年でもらったと仮定して税金を計算します。
よって2000万円に税金がかかるので、所得税は約500万円です。(税率約25%)
でも、もらったのは今年なので残りの8000万円にも25%の税率を適用して、2000万円となり所得税の合計は約2500万円となります。
約20%天引きされてるので、実際に払うのは約500万円です。
これなら、なんとか払えそうですね!
(それでもサラリーマンの平均年収以上ですよ!( ゜Д゜)!)
残念ながら住民税は税率がどんな人でも一律10%になったので、平均課税制度の適用はありません。
でもこれをするだけで1500万円も税金が安くなるんですね。
※実際の選手は、当然に平均課税制度を利用しているはずなのでご心配なく(笑)
※イメージをつかんでいただくため、かなりざっくりとした数字で計算しています。
そのため実際の計算は専門家にご依頼いただくか、ご自身でよろしくお願いいたします
<(_ _)>
※一時に儲かっても一発屋芸人には平均課税制度の適用はありませんので悪しからず。(^^♪