法人成した際、個人事業主時代の予定納税は払わないといけない?※7/15期限
どうも、新人のFです。
本日は法人成り(個人事業主から法人になること)をした後に発生する、個人事業主時代の予定納税をどう取り扱うかについてお話します。
まず、個人事業主の予定納税とは大きく分けて所得税と消費税に分かれます。では予定納税とは一体どのようなものかというと、
予定納税とは、決算時に利益が出た会社や個人事業者が、来期も同じくらい利益が出るという予想のもと、納税の負担を軽減させるため、来期の一定時期に、税金の一部を前払いするというものです。
所得税なら15万円以上、消費税なら48万円以上(地方税を除く)の納税が出た翌年は、予定納税をしなくてはならなくなります。
しかしながら、期中に個人事業主が事業を廃止し、予定納税の時期までにあらたに法人として事業を始めることになった時、この予定納税はどうなるのでしょうか。
答えとしては、「払ってもいいし、払わなくて良くなる方法もある」です。
それぞれの手続きを、所得税と消費税に分けて詳しく説明しますと、
所得税の場合、基本的に暦年課税が原則ですので、個人事業を廃止し、法人成した年も、今年の廃業するまでに行った事業の確定申告を年末に行わないといけません。そのため、払ったとしても年末で還付、または納税額から差引ができます。
ただし、しかるべき手続きを踏めば、払わない方法もあります。こちらを選択するのであれば、「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続」をしなくてはなりません。こちらの手続きをすれば、個人事業主時代に確定した予定納税を減額することができ、過大な納税を避けることが出来ます。
詳しくは、下記の国税庁のHPをご覧ください。
(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/02.htm)
次に消費税ですが、法人成りの際に、個人事業の「事業廃止届出書」を提出していれば、その次の年は、管轄の税務署で処理が行われるため、予定納税は一切不要になります。
しかしながら、所得税と同様に、個人事業主の消費税は暦年課税ですので、廃業したその年の予定納税に関しては原則支払わなくてはなりません。
ただし、特例として、仮決算による中間申告をした場合は、前期の数字から計算される予定納税額ではなく、今年の利益から計算をした本来納付すべきであろう納税額になるため、税額が減少します。仮決算による中間申告は予定納税の納期限までに行う必要が有ります。
予定納税を払うか払わない方法を選ぶかのボーダーラインは、最終的に今年度どのくらいの利益、納税が出るのかというところです。
もし、個人事業を廃業したのが2月くらいの時期で、どう考えても今年の予想される納税額が、予定納税額を下回っているのであれば、払わない方法を取る方がいいと言えるでしょう。
返って、今期の半ばくらいまで個人事業主として事業を行っていて、明らかに利益が出ている場合は、期末の納税の負担を軽減するために予定納税をしておいた方がよいと言えます。
まとめとして、法人成した際の予定納税について、払ったとしても、過大な部分については確定申告時に還付されるため損することはなく、所得税であれば予定納税の減額申請手続、消費税であれば仮決算による中間申告をしていれば、納税をしなくても良い、または軽減できるということです。
※なお、所得税の減免申請手続きは7月15日が期限です。
以上、新人のFでした。