税理士法人 松岡会計事務所

松岡会計事務所通信

【Vol.036】2024年01月号

令和6年度税制改正大綱の主な内容について

令和5年12月14日に令和6年度税制改正大綱が公表されました。
主な改正内容は以下の通りです。

所得税

所得税、住民税の定額減税

納税者及び配偶者を含めた扶養親族1人につき令和6年分の所得税から3万円、住民税から1万円を控除する。
※納税者の合計所得金額が1,805万円以下である場合に限る

給与所得者
所得税 令和6年6月1日以後支給される給与や賞与の源泉所得税から控除
住民税 減税後の個人住民税の額の11分の1の額を令和6年7月以降の給与から毎月徴収
公的年金受給者
所得税 令和6年6月1日以後支払を受ける公的年金等の源泉徴収税額から控除
住民税 令和6年10月1日以後最初に支払を受ける公的年金等の特別徴収税額から控除
個人事業者
所得税 令和6年分の所得税に係る第1期分予定納税額から本人分の特別控除の額(3万円)を控除(予定納税額の減額承認申請により同一生計配偶者等の特別控除も控除できるようにする)
住民税 令和6年度分の個人住民税に係る第1期分の納付税額から特別控除の額を控除

住宅ローン控除の拡充(子育て世帯等のみ)

令和6年限りの措置として、子育て世帯等については住宅ローン控除の控除対象借入限度額を上乗せする。

※上乗せ後の控除対象借入限度額

認定住宅5,000万円(通常4,500万円)
ZEH水準省エネ住宅4,500万円(通常3,500万円)
省エネ基準適合住宅4,000万円(通常3,000万円)

※特例の対象になる子育て世帯等には次のような人が該当します。

●40歳未満で配偶者を有する者
●40歳以上で、40歳未満の配偶者を有する者
●19歳未満の扶養親族を有する者

なお、児童手当の拡充に伴う扶養控除等の見直しや、子育て世帯の生命保険料控除の拡充については、次回(令和7年度)の税制改正で決定される見通しです。

法人税

賃上げ促進税制(所得拡大促進税制)の改正、拡充

(いずれの改正も令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度について適用)

大企業向け

従来の大企業向けの措置について、原則の税額控除率を10%に引き下げ、給与の増加割合に応じた税額控除率の加算割合を以下のように見直す。

給与等増加割合が4%以上 → 税額控除率を5%加算
給与等増加割合が5%以上 → 税額控除率を10%加算
給与等増加割合が7%以上 → 税額控除率を15%加算

プラチナくるみんやプラチナえるぼしの認定を受けている場合にはさらに5%加算する(最大で税額控除率は35%になります)。

中堅企業向け

従来の大企業のうち従業員数が2,000人以下の法人について、3%以上の賃上げを行ったときは、その賃上げ額の10%の税額控除ができる中堅企業向けの措置を加える。

以下の場合にはそれぞれの割合を税額控除率に加算する(最大で税額控除率は35%になります)

給与等増加割合が4%以上 → 税額控除率を15%加算
教育訓練費の増加割合10%以上等5%
プラチナくるみんやえるぼし(3段階目)以上の認定5%

中小企業向け

従来の措置について、教育訓練費に係る税額控除率の上乗せ措置は教育訓練費の増加割合が5%以上等である場合に適用できることとし、くるみんやえるぼし(2段階目)以上の認定を受けた場合に税額控除率に5%を加算する措置を加える(最大で税額控除率は45%になります)

また控除しきれなかった税額を5年間繰り越せる繰越控除制度を設ける。

損金算入交際費の拡充

交際費等の損金不算入制度について、損金不算入となる交際費等の範囲から除外される飲食費を1人当たり5,000円以下から1万円以下に引き上げ、その適用期限を3年延長する。

外形標準課税の対象法人の拡大

外形標準課税の対象法人について、前事業年度に外形標準課税の対象であった法人で、当該事業年度に資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超えるものは、資本金1億円以下でも外形標準課税の対象とする。(令和7年4月1日以後に開始する事業年度より適用)

施行日(令和7年4月1日)以後最初に開始する事業年度については、公布日(令和6年3月31日になる見込み)を含む事業年度の前事業年度に外形標準課税の対象であった法人で、当該事業年度に資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超えるもの

また資本金と資本剰余金の合計額が50億円を超える法人等の100%子会社のうち、資本金が1億円以下で、資本金と資本剰余金の合計額が2億円を超えるものは、外形標準課税の対象とする。(令和8年4月1日以後に開始する事業年度より適用)

イノベーションボックス税制の創設

青色申告書を提出する法人が特定特許権等※の譲渡や貸付を行った場合には、次の金額のうちいずれか少ない金額の30%を損金算入できる。(令和7年4月1日以後に開始する事業年度より適用)

  1. 特許権譲渡等取引に係る所得の金額 × (イ÷ロ)

    イ)当期及び前期以前に生じた研究開発費のうち、その特許権譲渡等取引に係る特定特許権等※に直接関連する研究開発費の額の合計額

    ロ)上記イの金額に含まれる適格研究開発費(研究開発費のうち、特定特許権等の取得費や支払ライセンス料等を除いたもの)

  2. 当期の所得の金額

    ※特定特許権等とは、令和6年4月1日以後に取得又は製作をした特許権及び人工知能関連技術を活用したプログラムの著作権で一定のものをいう。

中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充

青色申告書を提出する法人で特別事業再編計画(仮称)の認定を受けたものが、その計画に従って他の法人の株式等を購入し、その事業年度終了の日まで引き続き有している場合(その株式等の取得価額が100億円を超える金額又は1億円に満たない金額である場合及び一定の表明保証保険契約※を締結している場合を除く)において、その株式等の取得価額に次の株式等の区分に応じそれぞれ次の割合を乗じた金額以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できる。

イ)その認定に係る特別事業再編計画に従って最初に取得をした株式等 90%
ロ)上記イに掲げるもの以外の株式等 100%

また以下の場合には積み立てた準備金を取り崩し益金算入する。

  • その株式等を有しなくなった場合
  • その株式等の帳簿価額を減額した場合
  • 準備金を積み立てた事業年度終了の日の翌日から10年経過した場合
    (10年を経過した日を含む事業年度から5年間で準備金残高の均等額を取り崩す)
  • 株式等の取得をした事業年度後に、その事業承継等を対象とする一定の表明保証保険契約※を締結した場合
    ※表明保証保険契約とはM&A契約で表明保証条項に記載された内容(財務諸表に虚偽がないことなど)に違反があった場合
    の損失を補填するための保険です。

資産税

住宅取得資金の非課税贈与制度の延長

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度を令和8年12月31日まで3年延長する。
(非課税限度額は省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円まで)

事業承継税制における特例承継計画の提出期限延長

事業承継税制の特例措置を使用する場合に必要となる特例承継計画について、個人法人ともに提出期限を2年延長し令和8年3月31日とする。

東大阪市障害者雇用奨励金

東大阪市では、市内在住の障害者を市内の事業所において常用雇用労働者として雇用する事業主の方に対し、障害者の雇用促進を目的として、障害者雇用奨励金を支給しています。

支給対象者

ハローワーク等の紹介で、障害者(市内に住所を有する方)を市内事業所において雇用し、次に掲げる要件のいずれかに該当する事業主の方。

  1. 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の支給を受け、受給期間終了後も継続して同一の障害者を常用労働者として雇用する事業主。
  2. 適応訓練または障害者職業能力開発訓練施設等の修了した障害者を常用労働者として雇用する事業主。

受付期間

上記の1に該当する場合は「特定求職者雇用開発助成金の受給期間」が終了した日から2か月以内に申請してください。
2に該当する場合は、障害者を雇用した日から2か月以内に申請してください。

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