国税の猶予制度
概要
国税を納期限までに納付していない場合は、納付するまで延滞税がかかるほか、財産の差押えなどの滞納処分を受けることがあります。
そのような場合でも、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することで財産の換価(売却)や差押えなどの猶予が認められる場合があります。
猶予の種類
換価の猶予
国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められる場合に、申請に基づいて差押財産の換価(売却)が猶予される制度です。
猶予が認められた場合は、既に差押えを受けている財産の換価(売却)が猶予され、換価の猶予が認められた期間中の延滞税の一部が免除されます。猶予を受けた国税は、各月に分割して原則1年以内に納付することになります。
納税の猶予
災害、病気、事業の休廃業などによって国税を一時に納付することができないと認められる場合や、本来の期限から1年以上経って納付すべき税額が確定した国税を一時に納付することができない理由があると認められる場合に、申請に基づいて納税が猶予される制度です。
猶予が認められた場合は、新たな差押えや換価(売却)などの滞納処分の執行を受けることがなくなり、納税の猶予が認められた期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。猶予を受けた国税は猶予期間中に分割して、原則として1年以内に納付することになります。
注意点
猶予が認められた後も、分割納付計画通りに納付せず、猶予を受けている国税以外の国税が滞納になってしまうと、猶予が取り消しや猶予期間の短縮が行われます。
猶予が認められた時点で安心せず、きちんと計画通りに完納することが重要です。
まとめ
税法に基づいて税金は課せられますが、会社が一時的に苦しいときに国税が原因で会社の業績が悪化しては元も子もないので上記のような猶予制度が設けられています。