所得拡大促進税制
概要
毎日の生活をおくるためには、雇用の確保とお給料の増加はとても大事な要素です。
ひいては景気回復にも大きな影響があるため、政府も対応を重視していて、給料の増加に対して所得拡大促進税制という税制上の優遇措置を設け、各企業での対応を後押ししています。
各企業が要件を満たしてこの制度の適用を受けると、給料増加額の10%を法人税額から控除することができます。(税額の10%(中小企業者等は20%)が上限)
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制度の適用を受けるための要件は3つあり、大まかにまとめると以下の通りです。
- 給料の総額が、基準事業年度(3月決算の会社の場合は平成24年4月1日からの1年間)と比べて、決められた割合(※)以上増えていること
- 給料の総額が前年度よりも増えていること
- 一人あたりの平均給料が前年度よりも増えていること
※必要な増加割合は年によって異なり、平成29年度で中小企業者等の場合は3%です。
3つとも似たような内容に見えますが、基準事業年度よりも給料が増えていても前年度よりは少なくなっている場合や、人員が増えて給料の総額が増えただけのような場合には制度の適用対象外となるようになっています。
必要な手続き
所得拡大促進税制は事前の申請等は不要で、必要事項を確定申告書に記載しその明細書を添付して申告すれば適用を受けることができます。
まとめ
所得拡大促進税制は、中小企業者等であれば3%の給料増加で要件を満たすことができ、業種の制限もないので比較的適用を受けやすい制度です。
給料に関係する制度としては、人員を増加させることで税額を受けられる雇用促進税制もありますが、所得拡大促進税制と併用することもできます。(二重控除とならないように調整計算は必要です。)
税制の適用を受けるための計画的な昇給をしていなかった場合でも、結果的に要件をクリアしていないか、確定申告の前にはぜひチェックしてみましょう。