くるみん税制
概要
最近では育休を取得する男性や社内に託児所を作るなど、子育てに対する社会の理解も深まりつつあります。
厚生労働省では、職場における子育て支援として「くるみん認定」制度を設けており、会社が子育てを支援するための資産(「次世代育成支援対策資産」)を導入する際に「くるみん認定」を受けると、税制優遇(くるみん税制)を受けることができます。
「次世代育成支援対策資産」とは?
従業員のために設けられた会社内の保育施設や授乳コーナー、男女別の更衣室、在宅勤務のためのサーバー、端末等の設備等が「次世代育成支援対策資産」となります。
また、医療業や児童福祉事業等を営んでいる場合は乗降補助装置付き自動車や他の資産も対象となります。なお、それぞれの資産には面積や区分されているかどうか等、詳細な要件が決められていますので必ずチェックしてください。
「くるみん認定」とは?
企業が次世代育成支援対策推進法に基づいて一定の要件を満たすことにより、厚生労働省から「子育てサポート企業」であることを認められた証です。認定を受けると、認定マークを商品、広告、求人広告等に付けることができ、子育てサポート企業であることを内外にアピールできます。
また、くるみん認定企業の中でもより高い水準の取組を行った企業は、優良な「子育てサポート企業」として「プラチナくるみん認定」を受けることができます。
くるみん税制の内容
「くるみん認定」を受けると、認定を受けた事業年度は、次世代育成支援対策資産について18%~32%の割増償却が認められます。通常よりも多くの減価償却費を計上することができるようになり、その分だけ税金の負担が軽減されます。
なお、「プラチナくるみん認定」を受けると、認定を受けた事業年度から3年間12%又は15%の割増償却が受けられますので、通常の「くるみん認定」よりも長い期間優遇を受けることができます。
くるみん税制の適用を受けるためには
くるみん税制の適用を受けるためには、大まかには以下の手続きが必要になります。
平成30年3月31日までに「くるみん認定」を受けた企業が対象ですので、期限にご注意ください。
- 次世代育成支援対策資産を導入することを記載した「一般事業主行動計画」を作成し、各都道府県労働局へ届出
- 「一般事業主行動計画」に従って実際に資産を導入
- 必要書類を各都道府県労働局へ提出し、「くるみん認定」を申請
- 「くるみん認定」の認定通知書と関連書類が交付
- (4)の資料を添付して申告書を税務署に提出
まとめ
働きながら子育ては、保育所への送り迎えや子どもの急な発熱等で早退しなければならなかったり、仕事と両立するのはとても大変です。もし働いている会社が子育てを応援してくれていれば、仕事に集中することができるようになり、能率や業績のアップにもつながることでしょう。
社員のためだけではなく会社にとってもプラスの効果が出てくるはずですので、「子育てサポート企業」を目指してみてはいかがでしょうか。